資産運用

インデックス投資 万人向けではない事を再確認した夏

米中貿易戦争はいずれ落ち着くでしょーと楽観しているのですが、ここにきて不穏材料が少しずつ増えてきました。

不穏材料一覧

①冷戦時代の株式低迷
②ITバブル崩壊⇒リーマンショックの連鎖による長期低迷
③米国株最大の魅力であった「株主第一主義」の撤廃

米中貿易戦争の冷戦化

米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は6日、中国との貿易戦争が解決するまでには長い時間を要する可能性があると述べ、冷戦を引き合いに中国政府との対立長期化を警告した。

出展:Bloomberg 米中貿易戦争、解決には長い時間要する公算-クドローNEC委員長

米中貿易戦争を米ソ冷戦に例え、数十年に渡る長期化を懸念する声があります。

ちなみに「米ソ冷戦って何年続いたのか?」確認してみました。

1947年~1991年の47年でした。

 

長っっっ!!!

 

それだけ世界冷え込むと何に投資しても無駄なような・・・
ちなみにそのときの株価です。

 

 

すごい・・・低空飛行ですね・・・
上がってないわけではないですが、米国株暗黒時代の1960年~1980年が丸々と入っています。

ITバブルの再来

インデックス投資のリスク

「暴落時には最大で40%株価が下がる」
「それでも我慢して耐えれば2~3年で回復する」

これはインデックス投資において、初心者が鉄則とすべき言葉です。しかし、この40%も2~3年も「リーマンショック」を元にした数値です。

これをITバブルにすると話が変わってきます。
こちらのツイートを見て戦慄しました。

 

私はこれまでITバブルを

「日本が異常に好景気」
「暴落はそれなりにひどかった」
「それでも、100年に一度のリーマンショックのほうがすごい」
「最悪の状況の想定はリーマンショックを基準にすれば十分」

と思っていました。

実際に先ほどのグラフで見たほうが早いですね。

はい、2000年から13年も株価が回復しません。正確には7年ほどで回復しそうだったのですが、次の暴落(リーマンショック)が来た為、台無しになりました。

リーマンショックがすごかったのは「短期間の下落スピード」であり、市場に与えた影響としてはITバブルのほうが遥かに上でした。

米国の「株主第一主義」の撤廃

私が米国株(S&P500)に一点集中で投資しているのは、その好調ぶりな市場もあるのですが、「株主第一主義」という思想を投資対象として、何よりも魅力に感じたからです。

日本企業は、少しでも経営不振になるとすぐに減配します。20年以上連続で増配しているのは花王ただ一社となります。その反面、米国は160社以上も存在します。

「企業は株主の為に存在する」という資本主義思想を掲げ、リーマンショックの時でさえも増配を繰り返していました。ちなみに震源地ではない日本では減配が相次ぎました。その姿勢が投資家に評価され、リーマンショックの傷を2年で回復し、その後約10年間の歴史的な株価上昇を果たしました。

その反動として、資本家(経営者)と労働者(一般市民)の間で貧富の差が拡大し、国民の不満が募る状況となっています。

米主要企業の経営者団体、ビジネス・ラウンドテーブルは19日、「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重した事業運営に取り組むと宣言した。株価上昇や配当増加など投資家の利益を優先してきた米国型の資本主義にとって大きな転換点となる。米国では所得格差の拡大で、大企業にも批判の矛先が向かっており、行動原則の修正を迫られた形だ。

出展: 日本経済新聞 米経済界「株主第一主義」見直し 従業員配慮を宣言

そして、8月19日にビジネス・ラウンドテーブル(日本の経団連のような組織)が株主第一主義の見直しを発表しました。

米国民の方には申し訳ないですが、投資してる身としては、株主還元を何を置いても優先して欲しい所です。

現時点での希望材料として

・ただの発表(口約束)である
・株主第一主義を不可能にするような法律・罰則は何も制定されていない
・トランプ大統領が何よりも株価を優先する人なので、この発表を後押しする理由がない

不安材料として

・労働者の不満・反発意見は消えていない
・民主党議員に同様の主張があり、大統領交代劇が起きると法律も制定されうる。

来年の大統領選挙が明暗を分ける鍵となりそうですね。

 

今回のまとめ

①米中貿易戦争が膠着すると株価が上昇しない
②次に起きる暴落の特性は起きてみないとわからない
③次期米国大統領が民主党出身者になると株主第一主義が本当に終わる可能性がある

やはり市場は読めるものではないですね。

インデックス投資は誰でも簡単にできる。日本国民全員がするべき

・・・と思っていましたがやはり世の中そこまで甘くは無かったようです。

 

カグラ
カグラ
投資を必須とは言いませんが、挑戦しなければ、緩やかな貧困が待っていると思います